蒸暑い、、と言ったところで何か解決できるわけでもないのに、ヨーロッパのさわやかな空気に浸って帰って来た身には、この湿度の高さには辟易とするところがあり、ついつい、うらめしくつぶやいてしまいます。
全世界的にCO2排出低減運動が高まっている中、そんな湿度の高い毎日を日本人はどうやってエコに過ごすの?と夏のエアコンとは無縁の国の住人、イギリス人の友人Jは無邪気にそう私に尋ねたので、夜空に花火を打上げ、目と音で涼んだり、一昔前は、窓の端に風鈴をぶら下げて高音に風を感じて涼んでいた、と答えたら「なんて想像力と感性の高い国民性!」と驚いていました。
冷たいお茶をいれたガラスコップがあっという間に水滴だらけになったり、着替えたばかりの綿シャツが、汗と大気の水分を含んでもったり重くなったり、気がついたら一差しヤラれ、かゆみ止めを塗りながら、蚊に殺意を抱く日本の夏を、私は決して嫌いではありません。むしろそんな夏ならではのベタベタとイライラの間に発生する、小さな偶発的な事件を、今年もまた、愛おしく楽しみに思っていたりするのです。