ここ最近、気になっていた町がありました。青梅です。すてきだなあと思える人が発信しているものを辿っていくと、ある共通するものにあたることが少なくないと思うのですが、私と青梅の出会いも、そんな感じでした。停電の影響はあるかもしれないけれどお天気もよさそうだし、まあ散歩してみようかな、ということで、あまり前知識を入れずに出発。でもせっかく外で食べるんだから、食べるものは美味しいものがいいなあ、ということで、連れ合いの知人が最近コンサートをおこなったユニークな蔵があって、ゴハンがおいしい、ということだったので、そこでランチをとることを楽しみに出かけてみました。この日は電車の運行も平常どおり。普段あまり聞かない名前の駅を通るとまるで旅行に来ているような気もしてきます。
さて、目的地の青梅に到着。降りてびっくりしたのは建物の素敵さ。どれもとても古い建物なのですが、使われてきた時間を感じさせるガラスや壁、といった建物を構成するそれぞれのパーツがとてもいい感じに年を重ねているのです。東京にもまだこんなところが残っていたんだー。しかもとても味があってすてきだな〜と思う建物は、それぞれの居住者が何らかの個性ある使い方をしています。
大谷石のずっしりした量感の蔵。ここが目的のランチ場所です。建物は戦前養蚕業で使用されていた繭蔵を移築し、リノベーションして、今はダイニング・ギャラリーとして使用されており、ほっとおちつく心地よい空間です。はじめてきた人を緊張させるような威圧感はなく、置かれているものも、使われているものも、とてもしっくりなじんでいます。
そこでだされたお茶がトウモロコシ茶でした。湯気のたちのぼる暖かい湯のみを口元に近づけてびっくり。ふわ〜っと甘くやわらかな煎った豆の香りに、黒豆茶のような、こうばしい豆茶の味。口にふくむと鼻の奥にふうっとトウモロコシの香りが抜けます。おお、これははじめての味だが、知っている味でもあるぞ。なんだかとても落ちつく〜。
こうやってお茶を飲んでほっとしたり、新しい気付きを発見すると、心と体がだんだん元気を回復してくることが分かります。どんな時も好奇心を失わず、新しい視点をもって、動いてみる、ということが、生きて行くことの助けになっていることを改めて感じる機会となりました。