今回のものは、自分の人生の中でこれをいつか買うことになると想像したことがなかったもの第一位候補です。
それはなんと『鍬』。
そもそもなんで鍬を買うことになったのか。
ことの発端は、市報にでていた市民農園の案内。都心部よりちょっと郊外に住み始めた私の住まいの周りには緑が多く、数はそれほど多くはないけれど、まだ畑もちらほら残っています。山形にいる友人や高山にいる友人の実り豊かな生活に触れ、ほのかな憧れを抱いていた私にとって、何か新たな発見がありそうだと思って応募してみたところ、見事使用権が当選。こうして憧れの家庭菜園が期間限定で持てることになったのです。
しかし実際にはじめてみると、ことはそんなに簡単なもんじゃないってことがだんだんと分かってきました。
まずはまだ寒い時期から土を耕し、適度な酸性土をつくったり、植付け前にはそれぞれの野菜にあわせて有機肥料の量をかえて土づくりをすることからスタート。植付ける野菜にしたって植える場所や順番もよく考えないと、連作障害を起こすようだし、「畝」の漢字すら読めなかった私には、次々に発覚(発見?)する菜園の作り方にいちいち驚くばかり。
種や苗を植えればそれで勝手に育つって思ってたわけじゃないけど、こんなにいろいろ考えることがあるんだ。。
それに気付ば、道具に追肥、支柱や害虫/鳥予防など、どうやらまだまだ出費がありそうだぞ。。。ひゃ〜スーパーで買う野菜の方がずっと安いじゃないかいっ。
というような感じで、いよいよ都会っ子の私にも、農業に従事されている方の苦労や工夫、すごさがひしひしと伝わってきたのでした。
でも、作業をしながら私の仕事であるデザインの仕事とも通じるところは大いにあるなあと思うようになりました。
「よいものをいちからカスタムメイドでつくり、手にするには、それだけの時間も労力もお金も必要」の部分。
この家庭菜園から、他にどんなことを発見できるかな。大変だ、と口では言いつつも、やっぱりつくることに楽しさを覚える性格だから、苦にはならないとは思います。うん、たぶん。(苦笑)
というわけで、この鍬からはじまるニューアドベンチャーを、実は秘かな楽しみにしている昨今。もちろん捕らぬ狸の皮算用の方もばっちりですけどね。(笑)