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9月 九月 長月 September

急激に気温が下がったかと思うと、突然夏が戻ったかのような暑さ。今年の東京は、ここ最近頻繁におこる地震のように、気を抜いているとドキッとするような出来事が起こる、テンションの差が激しい晩夏です。

今年の夏はいつもにも増して、さまざまな変化のうねりやその種子を、私を取り巻く環境:住んでいる国、生きている業界、個人的な人間関係 ー すべてにおいて、目に見える形で意識できたように思いました。

その時代に生きる人々が欲しているものを、整理・意識化し、新しい技術やすでにある技術をもって、目に見えるもの、触れるもの、あるいはコミュニケーションのシステムとして変換・実在化させ、人々に広く使えるようにすること、が私が考えるデザイナーの役割です。

そして私は私の実体験から、これまで以上に発想、発見、そしてトライ・アンド・エラーのできる環境が、ますます重要になってくることを感じています。欧米では、9月は新学期のはじまる月。日本でも大学は後期がはじまります。今年のはじまりの月はいつもにも増してわくわくすることが起こるような予感がしています。

8月 八月 葉月 August

蒸暑い、、と言ったところで何か解決できるわけでもないのに、ヨーロッパのさわやかな空気に浸って帰って来た身には、この湿度の高さには辟易とするところがあり、ついつい、うらめしくつぶやいてしまいます。

全世界的にCO2排出低減運動が高まっている中、そんな湿度の高い毎日を日本人はどうやってエコに過ごすの?と夏のエアコンとは無縁の国の住人、イギリス人の友人Jは無邪気にそう私に尋ねたので、夜空に花火を打上げ、目と音で涼んだり、一昔前は、窓の端に風鈴をぶら下げて高音に風を感じて涼んでいた、と答えたら「なんて想像力と感性の高い国民性!」と驚いていました。

冷たいお茶をいれたガラスコップがあっという間に水滴だらけになったり、着替えたばかりの綿シャツが、汗と大気の水分を含んでもったり重くなったり、気がついたら一差しヤラれ、かゆみ止めを塗りながら、蚊に殺意を抱く日本の夏を、私は決して嫌いではありません。むしろそんな夏ならではのベタベタとイライラの間に発生する、小さな偶発的な事件を、今年もまた、愛おしく楽しみに思っていたりするのです。

今月のBirds05_from Thailand

しばらく更新をさぼっている間に、イイ感じのBirdsが集まって来たので、そろそろご紹介をはじめましょう。

今回のBirdsはタイからです。いや〜、いいカオしてますね〜、このBirdsたち。力強い両はじのアイラインのはみだしが、白目をきわだたせていて、とってもオリエンタルな感じです。また、濃い紫や青がベースであっても、間違ってもここは白で印刷しよう、と思わないこのおおらかな感じ。。うーん、好きですー。(笑)

微妙な色、不思議な形状、オリエンタルな目元。うーん、なかなかいい表情してます。

微妙な色、不思議な形状、オリエンタルな目元。うーん、なかなかいい表情してます。

このBallon Birdsを私に届けてくれたIさんは、もといたデザイン会社の同僚で、今やバンコク歴6年(more or less?)の強者グラフィックデザイナー。一時帰国のたびに、ユル〜イ、え〜そんなんアリ〜?うーん、ま、タイってこんな感じじゃーん、的に、コチコチ頭の凝ったところを、まさにタイマッサージのようにぐぐ〜っと押して刺激してくれる、い〜い感じのプロダクトを持ち帰ってくれるのです。

それでも彼ら(タイの人)なりに、仕上がりに対してVery GoodとFailedがあるようで、(画像をみてね)そこんとこ、意味が分かるようで、分からなくて、とっても愉快な気分になります。(笑)

上がバツで下がGOOD。成型するのには、コツがいりそう。。

上がバツで下がGOOD。成型するのには、コツがいりそう。。

こんなものを貰った_02 : 紙のネックレス

この夏、知り合って16年になるフランス在住の友人宅を訪ねた。私がロンドンに留学して一年くらい経った頃に訪ねて以来だから、彼女の家族を訪ねるのは、6年ぶりになる。その頃ベビーカーに乗って一緒にパリの街を歩いた上の子は小学1年生に。その頃彼女のお腹の中にいた下の子もすでに5歳の幼稚園生になっていた。子供の成長は本当に早くてそら恐ろしいものである。。滞在期間は数日だったが、私が最も感激したのは、まったくその二人の小さな子供たちについてである。まあ子供という生き物は、なんとパワフルですごいものなんだろう。新しいものに対する好奇心、きれいなものに向けるまっすぐな憧れの瞳、受け入れられることを疑うことのない愛情表現、いやー、これにきちんと向き合おうとしたら、エネルギーがいくらあっても足りない!!(笑)子供というものは、いやはや大変なパワーを必要とする生き物のようである。

そんな彼女達が、私が帰る前日にプレゼントをくれた。それが今回の「紙のネックレス」。毎朝、私が化粧ポーチを開いて、ひとつひとつの道具でメイクアップしていくのを、くいいるようにじーっとみつめ、ブレスレットひとつ、ネックレスひとつ、毎朝交替でつけっこしてくれた彼女達。きっとそのことに触発されたのだろう。この紙のアクセサリーは、子供部屋を「完全立ち入り禁止」状態にして、私と彼女達のお母さんにつくってくれたそうだ。(ちなみに友人は紙の指輪をもらっていた)

紙にペンで線画をかき、ハサミで切って、真ん中にファイル用のパンチなどで穴をあけて紐に通す。よく見ると、ハートやマル、三角など色々なかたちがあり、丁寧にうすい紫色を塗ったものもまじって、淡いやわらかなトーンをつくっている。なかなか上手!

これをじーっとみていると、つくる欲求、というものは、本当にただひたすら純粋に、あげたい、よろこんでもらいたい、という欲求から生まれているのではないだろうか、と感じる。

大人になっていくにつれて、技術についての知識がついてくるようになると、こうしたらどうなるかな、という工夫の気持ちも生まれると同時に、ややもすると、うまくなりたい、とか、自分はこんなにできる、といった、自分を誇示するためにつくること、簡単で、す早くできることを目的にすることが、つくる方も、受取る方も、重要なこと、いいことのように捕らえるようになってきたように思う。

でも、このネックレスにある、迷いのない、まっすぐな想いは、何カラットのダイヤモンドより輝いて、きっと何年たっても色あせない。

貰った人がそんなふうに思えるようなもの、つまり、ある人にとって、とてもパーソナルなもの、に、私は今、とても関心をもっている。なぜならそこにデザインが忘れてしまっている大切なことがあるように感じるからである。

友達は、「後で捨ててもいいからとりあえず持って帰ってあげて!」と言ってたけれど、いやいやこれは捨てられません。(笑)

友達は、「後で捨ててもいいからとりあえず持って帰ってあげて!」と言ってたけれど、いやいやこれは捨てられません。(笑)

7月 七月 文月 July

長雨のあとのまぶしい陽の光に、いよいよ夏が近づいてきていることを感じます。2009年も、いよいよ下半期に突入です。

今年はスタートから対人関係が活発で、とにかくあっという間に過ぎ去りました。新しく出会う方々が才能にあふれ、刺激的であることにも大いに影響を受けましたが、これまでしばらく音信不通だった方々や、忙しくてなかなか会えなかった昔の知人との突然の再会などが、仕事にもプライベートにもあったことも印象的です。

過去の時間を現在とつなぎ、未来の時間を想像することが可能になる、というのは、想像以上に心わくわくすることでした。そしてそれは案外、これまでの過去の記憶をいたずらに壊すことなく、自然なかたちで今へとつながっているのが不思議です。

このことは、何か「デザイン」がなすべきことと繋がっているような気がしているので、これからもう少しゆっくりと考えてみたいと思っています。

6月 六月 水無月 June

曇り空と雨の季節となりました。街路樹と紫陽花と、もしかしたらこの都会にもまだいるかもしれない?カエルだけが、たっぷりのシャワーにウキウキとしているように思えます。

先日、非常勤講師をつとめている武蔵野美術大学のオープンキャンパスで、デザイン情報学科のある2つの授業に招かれ、特別講師として講評してきました。一つは「ブランディング」という授業、もう一つは今年スタートした、全科、全学年をまたいだ英語によるチームプロジェクト授業、「Interactive Innovation」という授業です。

先の授業は、アウトカムはつくりこまれた力作ぞろい。視覚的充実感はあるものの「アイデア」の表出方法にはこれといった工夫が少ないのが残念で、対象的に後の授業ではアウトカムは、プロトタイプ以前のレベルですが、プロセス途中の気付きやヒントが一杯で、発想を大いに刺激するものでした。こちらは仕上げがどうなるのかが大変興味があります。

ものの間の関係性を、見い出し、あるいは仮説をもって紡ぎ出し、カタチにして世の中に提案する。このプロセスを、これまでの経験をふまえて「心」で捕らえ、「頭」をつかって考える、ことで、デザインは世の中に「結果」と「次の課題」を残していくのだと思います。ま、言うは易し、行うは難し、なんですけどね。(笑)大学という場は、関わる人すべてにいろいろなことを試させてくれる生きたラボなんだな、とあらためて思う一日となりました。

私も日々の気付きや発見をきちんと記録し、新しい提案に生かしていかねば、と身がひきしまる思いでした。

こんなものを貰った_01 : さくらんぼと夏野菜ー山形からの便り

彼女とはじめて出会ったのは、私がまだ会社にいた頃だったから、すでに10年以上の時が経ちます。手先が器用で頑張り屋。優しくて、料理はとびきり上手で、彼女がときどき催すお食事会はみんなが楽しみにしている素晴らしい会だったな。ひとつも気取りがなく、一口食べるごとに心があったかくなって、こどものようにはしゃいでしまう。本当に贅沢な会でした。

でも私にとって、彼女にまつわる何よりも深い思い出は、友人たちとはじめて彼女の実家に遊び行った時の経験です。

その頃の私は、いろいろなことに悩みはじめていた時期でした。会社に勤めて数年経てば、それなりの経験をつみ、仕事はどんどん充実していくものの、忙しさが加わって、心と体のバランスを崩しはじめる、そんなところに彼女が、他の友人とともに彼女の実家、山形での休日に誘ってくれたのでした。時期も確かちょうど今と同じ時期でした。

到着し、まずみんなが歓声をあげたのは、その木にびっしりと、たわわに実った真っ赤なさくらんぼでした。全員荷物をおいて飛び出し、教えてもらって、夢中でさくらんぼをつみます。
おやつにはお母さん手製のしそジュースと、次々とでてくる、さまざまなお漬けもの。どれもはじめて食べるとびきりの味でした。良く笑い、はしゃぎ、そしてひとしきり興奮したら、やわらかい風のはいる畳の部屋で、みんなごろんと寝てしまう。こんなに気持ちよくお昼寝したのは、一体何年ぶりだったでしょう?
その日の夜はバーベキューで、お父さんが庭からひっこぬいた長ネギを焼き始めました。よく焼けた頃、お父さんはネギの白い部分だけを食べて、緑の穂先の部分をぽーんと庭に捨ててしまいます。
「あれっ?お父さん、ネギ、まだたべるとこあるのに?」「白いところが一番美味しいところだ。青いところは放っておき」と言って、また別の白い部分を吸っているので、まねをしてみたら、納得でした。白い部分は、いままで経験したことのないほど甘く、口の中でとけていったのでした。
沢山笑って、沢山飲んで、沢山食べる。本当にお母さんがいうように、「肉以外の食べるものは、みんな畑でとれたものか、手作り」で、どれも私がこれまで味わったことのない、とても素直で、やさしい味でした。

このときの旅で、私はこれまで、あるひとつの物差しでしか、物事を見ていなかったことに、はじめて気付いたのでした。ただこの時点では、何が自分を悩ませ、不安な気持ちにさせていたのかを、心と体がなんとなく教えてくれただけで、頭で整理し、ことばにして理解できるようになるまでには、このあとまだまだ時間が必要だったのですが。

その後数年たって、私は会社を辞め、留学を決意しました。あ、この体験が直接の原因ではないことは断っておかなきゃね。これを読んだ私を知っている人に誤解されたくないですから。(笑)それにこう言っては何だけれども、今はその時よりももっといろいろな経験をつんだので、さらに柔軟な見方ができるようになっているのではないかと思っているし。(笑)

この時期、彼女からさくらんぼが送られてくると、私はいつもあの時の気持ちを懐かしく思い出します。
もやもやと、不安な気持ちを抱えていたあの時の私の心を、彼女は知って家によんでくれたのでしょうか。
とにかく、つやつやのさくらんぼからは彼女の「元気?」の声とともに、あの時の出来事がひとつ、ひとつ、みんなの笑顔とともによみがえってくるのです。

つやつやで甘酸っぱいさくらんぼ。この時期にしか食べられないからまたいい。

つやつやで甘酸っぱいさくらんぼ。この時期にしか食べられないからまたいい。

5月 五月 皐月 May

新緑がまぶしい季節となりました。連休は自由時間を思いきり楽しまれた方も多かったのではないでしょうか?

Birdsが広報ツールの計画、デザインをお手伝いさせていただいた新しい東京スイーツのブランド「東京パステッロ」がJR東京駅、東京銘品館南口店に4月24日オープンしました。

ブランドのメインビジュアルは、イラストレーターの塩川いづみさんと一緒につくりました。彼女の対象を見つめる視線は、愛情深く本質をするどく捉えており、それが彼女がうみだす線やタッチの大きな魅力になっていると思います。これから夏の帰省シーズンが到来しますが、親しい方や、久しぶりに再会するお友達へのちょっとした手みやげとして、あなたの「東京からのメッセージ」をお菓子に託して届けてみてはいかがでしょうか。

プロジェクトの詳細は写真とともに近日中にメインページのworkでお知らせします。どうぞお楽しみに。

4月 四月 如月 April

東京では桜もいよいよ満開。咲き始めてから冷え込みが続いたので花もちがよく、
お花見が長く楽しめて嬉しいですね。
さて、4月の東京はさまざまなクリエイティブイベントが目白押しです。

月が変わると同時にスタートしたのが、日本最大のアートイベント、アートフェア東京101TOKYO
今年5回目になるアートフェア東京は、今年も有楽町国際フォーラムがメイン会場。またすぐ隣のTOKIAには、誕生してまだ若い、cutting edgeなギャラリーを対象にした第2会場も設置され、ますます充実した感じがしました。
今年の会場で特に顕著だと思ったところは、古美術、老舗画廊のブースの見せ方が、かなりこなれた感がでてきたこと。買う側を意識したプレゼンテーションで見る側も思わず引き込まれます。またTOKIA会場は本会場とまたちがった個性があり、作品だけでなく、ギャラリーのセレクションやテイストの違いを感じることができます。

今年2回目の101TOKYOは、鮮烈なデビューを飾った昨年の旧練成中学校からアキバスクエアへ会場を移動。アートのもつ、アクティブでエネルギッシュな側面を存分に堪能させた去年のデビューの印象から比べると、今年はさらに洗練された印象に。それでも101らしい若さ、ライブ感、インターナショナル感は健在で、「腕組みして眺めるアート」から「アートに巻き込まれて(笑)」「自分好みのアートを探」したり「手に入れ」たり、を楽しませてくれる空間でした。

4月18日からは TAKEO PAPER SHOW 2009がスタート。
今年は「言葉のペーパーショウ」として、各界の第一人者が集結した「紙の未来を語り尽くす講演会」が行われるとのこと。講演会なので、参加は事前登録が必要だそうですが、イベント終了後には、この講演会を記録したものが発表されるということなので、それを手にして自らの考えを巡らすのもよいかもしれませんね。

今月のBirds04_from US

ただいま6月。さすがに中旬にもなるとどっぷりと雨です。

雨かあ。雨が降るからいいこと。なんでしょうね。
そうそう、雨が十分に降らないと作物は育たないし、飲み水だって困るよね。
雨が降るから湿度があって、この時期、お肌の調子はいいし、
道ばたの草木は気持ち良さそうにぐんぐん葉を茂らして、青いいい匂いがするし、
あとは?あとは?

6月はなんとなく、ペースが変わる月、だと、ここ数年感じています。
一年のちょうど半分だからでしょうか。
それとも単によく雨が降るせいでしょうか。
ちょっと立ち止まって、これまでのことや、これからのことを
整理してみたり、考えてみたくなったりするんですね。
そしてその間にぐるぐるしながら、ゆっくり降りて溜まっていったものが、
その後の活動にじわっと影響してくるように思います。

これもそんなことが影響しているのでしょうか?
このところしばらく大人しかった読書癖も
またむくっと現れ始めています。
ちなみに今日、カバンに入っている文庫は、
今の自分の分裂症(?)的興味を曝けだしてしまうような
佐伯チズさんのお肌の本、原丈人さんのこれからの日本の可能性を示す本、
そして入江敦彦さんの京都の食文化の本、の3冊。
「美容」と「発想のリフレッシュ」と「食」ー が今の私の興味の対象なのね
と客観的にみてみたり。
なんでカバンが重くなるのに3冊も入ってんの?
って、つっこみいれてみたくなったり。

雨の影響でしょうか、ぐるぐるで、徒然な状態の今月のBirdsでした。

オフィスシェアメイトのE子ちゃんからもらったハンドメイドステッチのbirdのオーナメント。 この'Birds garden'のタイトルになっている鳥のモデルでもあります。

オフィスシェアメイトのE子ちゃんからもらった
ハンドメイドステッチのbirdのオーナメント。
この'Birds garden'のタイトルになっている鳥の
モデルでもあります。