こんなものを買った_03 : 元気をくれたドーナツ&パッケージ。

2011年3月11日に発生した宮城県沖を震源地とする大地震は、日が経つにつれて、さまざまな問題が連鎖的に発生し、被災地から遠いここ東京でも、連日の深刻な報道に加え、電力供給低下による交通や物流の障害による影響を日常生活で感じることから不安が増しているようです。

心臓に毛が生えていると思っていた私自身も、今回はさすがに様々なことに必要以上に敏感になってしまい、普段はほとんど見ないTwitterやUstreamに釘付けになってしまったり、ちょっとした余震にもビクッとしてしまったり、生活リズムを変えざるをえない「計画停電」への対応などで、被災地の深刻な状況とはまた別の心理的なプレッシャーに疲れを感じはじめていました。

そんな時相方が、注文していたコンピューターのソフトウエアが届いたと連絡があったのでとりに行く、というので、私も一緒に出かけることに。地震が起こって5日目のことです。

地震後数日は不安定だった鉄道も、この日は通常運転に。普通に動いている、という事実は気持ちの安堵につながります。車窓からはスーパーや店舗が節電のために薄暗くなっている様子がみえます。みんな節電、頑張ってます。

デパートでは海外高級ブランドのテナントショップが軒並み休業。自粛のためか、従業員の安全のためか。空っぽで、暗くなっている有名ブランドショップエリアの向こうには、営業しているお店の光も。東京の経済活動がストップしてしまったら、他の地域を救えなくなる。いろいろと複雑な思いを抱きながら、通り過ぎました。

目的の店で注文の品を引き取った後、もう少し街の様子をみるために周辺を歩いてみることに。

いつも外国人で一杯のサザンテラスのコーヒー店も、さすがに今日はほとんどみかけない。その向こうには、行列で有名な人気のドーナツ店。今日は店の中が暗いし、人も並んでいないので、休業?と思って近づいてみると、人の気配が。お店、営業しているみたい。

並ぶのがキライな私なので、実は店内に入店したのは今回がはじめて。しかもそれほどドーナツ好きではないのですが、ころんとまんまるのカタチがズラっと並んだ様子にふわっと顔がほころんでしまい、相方の分と私の分、二個を注文。テイクアウェイでね。お店の人は少しびっくり顔。そうか、みんなもっと大量に購入するんだっけ。

シュガーグレーズのかかったまるいドーナツは、パラフィンにつつまれて、赤いロゴの入った濃いグリーンの小さな水玉の袋の中に。ポップな柄の、マチの広いぽってりした紙袋は、持っているだけで、なんだか心わくわくしてしまう。このかわいらしい水玉と、明るいアメリカンダイナーのイメージは私の重い気持ちを一気に軽くしてくれました。

はじめて購入。節電で薄暗い店内にて。

はじめて購入。節電で薄暗い店内にて。

緊張の続く情報を浴び続け、皆が先の見えない状態に不安になっている時。こんなとき、グラフィックデザインは一体何の役にたつのだろう、と思って落ちこんでいた私の気持ちに、この小さな水玉袋は光をくれたような気がします。

よいデザイン、というものは相対的なものなので、人によっても、それを使う環境によっても見方、感じ方は変わるでしょう。環境が緊迫している時に、すばやく要点を伝えられるダイアグラムのようなインフォメーショングラフィックスは、このような状態の時に非常に役に立ちます。
では、イラストレーションやパッケージのようなデザインは、単に表層的なものなのでしょうか?
私は一瞬、そう思ってしまうところでしたが、そうではないということを、今回身をもって体験しました。

グラフィックの力を信じて、これからも続けていけそうです。

食べ物もグラフィックも、人に笑顔とパワーを与える力をもっています。ドーナツ1個160円から。Krispy Kreme Doughnuts 新宿サザンテラス店にて

食べ物もグラフィックも、人に笑顔とパワーを与える力をもっています。ドーナツ1個160円から。Krispy Kreme Doughnuts 新宿サザンテラス店にて