新しい名刺入れを買う、というのは私にとって一大事です。
なぜなら使用するシーンがもっぱら仕事の場。主に始めてお会いする人の前で、ご挨拶するその瞬間に自分の側にいてくれる、出会いの瞬間の立会人のようなものですからね。名刺を渡す間なんてほんの一瞬の出来事じゃないの、と思われそうですが、私にとっては、ちょっと緊張気味の自分の側にいてくれる力強いパートナーなのです。だから私にとって名刺入れ選びは一大事。本当に気に入ったものを長く使うので、最後はボロボロになってしまいます。今回もお気に入りのイタリア製の黒革の名刺入れを案の定、かなりのボロボロにしてしまい、さすがにお客さんによってはギョッとされるかも、と思い、探し始めることとなりました。
機能としての名刺入れは、そこそこの数量が入って、軽くて、というもので十分なのですが、素材感や色、雰囲気をみていくと、なかなか今の自分が持つのにちょうどいい、あ、欲しいな、と思うものがないことにすぐ気づきました。革のしっとりした手触り感が気に入っているので、素材は今回も革がいいな、と思ったのですが、わかりやすいブランドものは面白くないし、かといって、コンセプトが主張するデザインものも、今の自分にはちょっとくどく感じます。
そんな中、たまたま私がマークロゴのリデザインをお手伝いすることがきっかけでアールピースの名刺入れをみせてもらい、ピンときました。ヨーロッパの電車をイメージしたという革の色の組み合わせがとってもきれいなTRENO。留め部分の小さな金属の形状や大きさのバランスも、しっかり計算されているのに程よく力が抜けていて自然で気持ちがいい。
このような偶然の運命の出会いを経て、無事新しいビジネス(?笑)パートナーが見つかり、現在この名刺入れが、私の新しい出会いの場に同行してくれています。